無観客試合の見本
「ヴァンデグローブ(Vendée Globe 2020-2021)」(以下V-Glove20)は、1人乗り無寄港の世界一周ヨットレースです。
……ってことは、スタートしたらあとは独行。ひたすら走るのみ。速い船でも約80日間、ずっと海の上です。レース中、艇のポジションはもちろん、艇上の様子も衛星通信で送られて来るので、観るプロスポーツとして確立しているわけ。無観客試合の見本みたいなもんですね。
とはいえ、スタート地のフランス ヴァンデ県 レ・サーブル・ドロンヌに設けられたレースビレッジには大勢の観客が訪れ、もうお祭り騒ぎ。……なんですが、今年はどうか。
夜間外出禁止?
10月15日にはフランス国内の新型コロナウイルス新規感染が3万621件。その前日には2万2591件が陽性となり、17日から首都パリなど9都市で夜間の外出が禁止になったようです。
なんてニュースが流れて来ている10月17日。レースビレッジがオープンしました。
コロナ対策でかなりピリピリしているもよう。……でもないか?
フランス語なんで、なに言ってるのかチンプンカンプンで、日本語へ自動翻訳してみると……だめだ、意味不明。
01:30あたりからでてくるArmel Le Cleac’h(アルメールクランチ)は、前回の「V-Glove16」で〈Banque Populaire Ⅷ〉に乗り優勝しています。
今年はエントリーしていません。
同じBANQUE POPULAIREチームで、次のステージに進んでいるもよう。
こんな感じ。いやはやこのての船はスゴイです。
スポンサーのBANQUE POPULAIREはフランス第2の金融グループBPCE傘下の銀行で、日本でいえば信用金庫みたいなものらしい。やたら資金潤沢そうですけど。
伝統のチームは女性を擁立
〈Banque Populaire〉チームとしては、今回の「V-Glove20」に30歳のフランス人Clarisse Cremer(クラリス・クレマー)を擁立しました。
「V-Glove」は男女のクラス分けはありません。男女同権。ハンデ無し。これでも、「V-Glove00」では、英国人Ellen MacArthurが2位になってます。
Clarisse Cremerの〈Banque Populaire X〉キャンペーンにはArmel Le Cleac’hも加わっているようで、二人でダブルハンドレースに出てたりします。ふむふむ、これはミックス・ペアで2024パリ五輪を狙っているのか?
そうなんです、2024年パリ五輪から、外洋レースが採用されることになり、これが男女ミックスのダブルハンドなのです。
〈HUGO BOSS〉の挑戦は続く
前回、このArmel Le Cleac’hと最後まで激しく競り合ったのが、Alex Thomson (英:46歳)の〈HUGO BOSS〉。
けしてカッコイイ人ではないのですが、アグレッシブにしてパワフル。マストやキールの上に乗ってみたり、やることがハデなんです。
パロディー動画が出るくらいの、ロックスターでもあります。
準備万端でスタートが待ち遠しい。コロナ渦でレースビレッジでみんなと接することができないのが残念、と言ってます。
5回目の「V-Glove」出場となるAlex Thomson。10位以内、いやシングル、優勝を狙う彼を優勝候補の筆頭にあげても、誰も異存はないかと。
ただし、過去8回のこの大会で、フランス人以外は誰も優勝していません。
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