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ヴァンデグローブ第3幕 アレックス・トムソン リタイア

11月30日。ヴァンデグローブは4週目に入りました。

アレックス・トムソンの〈HUGO BOSS〉が、バウのロンジ・ビームの修理を終えたのが11月23日。入れ替わって、トマ・ルイヤン(39♂仏)の〈LinkedOut〉がトップに立ったところで……左舷のフォイルにヒビが入りスピードダウン。なんてこった。

と、ここまでは、『舵オンライン』に書きました。

気まぐれ高気圧セントヘレナ/ヴァンデ・グローブ実況 舵オンライン │ 船遊びの情報サイト
高槻和宏のヴァンデ・グローブ実況(2020/11/27 金曜日配信) ヴァンデ・グローブは3週目に突入。南半球に入った先頭集団には、あれやこれやいろいろありまして。 ■気まぐれなセントヘレナ 風は気圧の高いところから低いところへ向けて吹く。それも、地球の自転の影響を受けて、北半球では高気圧から時計回りに吹き出し...

〈LinkedOut〉のフォイルは……

何かにぶつかったというより、強度不足だったんじゃないかと思えるのですが。
そのあたり、〈LinkedOut〉のデザイナーであるギョーム・ヴェルディ(Guillaume Verdier)が11月28日の「Vendée Live #21 [EN]」で答えてますが、何を言っているのか良く分かりません。

Vendée Live #21 [EN]

ギョーム・ヴェルディはイギリスの大学を出たフランス人。今はアメリカズカップのNZ艇の設計者(NAVAL ARCHITECT)としてオークランド,NZからのリモート出演です。
キャスターのアンディー・ロバートソン(Andi Robertson)が、結構鋭い質問をするのですが、彼の頭の中はアメリカズカップのことで一杯か?

今トップを走っている〈APIVIA〉も彼の設計なのですが、〈LinkedOut〉の方がリーチングボートで〈APIVIA〉はオールラウンドボートなんだそうな。セールもちょっと違うようで。
というか、フォイルのことを知りたいんだけど。

アメリカズカップの方は、1週間、1週間で、いろんなことがガラッと変わるみたいですよ。なんて聞くと確かにアメリカズカップの話も興味あるんだけど。アメリカズカップに関しては喋るなと厳しく言われているようで……。 

Vendée Live #20 [EN]

こちら↑は、その1日前、11月27日の「Vendée Live #20 [EN]」。〈LinkedOut〉のチームマネージャー、マーカス・ハッチンソン(Marcus Hutchinson)が出演。こちらの方がハッキリ答えています。

フォイルは先端の揚力を発生させる部分を “tip” 、船体と繋ぐ部分を “shaft” と呼び分けており、その”tip”からだいたい2mのところで切断することにした。
ヒビが入っているのはshaft部なんだけど、根元側は5~6インチのムクのカーボンなので切るのが難しいと。詳しくは分からないけど、これで2から3ノットは遅くなるのでは、とのこと。設計者のギョーム・ヴェルディでもどのくらい遅くなるのかはよく分からないようです。

Onboard video – Thomas RUYANT | LINKEDOUT – 27.11

フォイルの重さは片側で280kgもあり、フォイルケースの構造も各艇違うようで。
この作業、海の真っ直中で一人でやるって、大変ですわな。この前にマストに登ってウインドのセンサーも直しているんですよ。

〈HUGO BOSS〉リタイア

バウの構造部材の修理を終えて、元気いっぱいに戦列復帰したアレックス・トムソンですが、11月27日 19:00「damage to the starboard rudder」との連絡を。どういうダメージなのか? これ以上のことはいまだにレポートがないのですが。修理不能につき、ここでリタイアとなりました。これは残念。
10ktで走っていたときといいますから、舵軸系ではなく、ラダーブレードみたいだけど。何かに当たったか。UFOがどうとも書かれていませんが。
ポート側のラダーは生きているので、ケープタウンまでの避航は問題無いようですが、レース続行となるとフィニッシュはまだまだ先で、とても1枚のラダーで走ったのではレースにならない。ということでしょう。

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Vendée Live #22 [EN]

11月29日の「Vendée Live #22 [EN]」には、〈CHARAL〉のクリストファー・プラット(Christopher Pratt)が出演。この方、ショアチームというより、ダブルハンドのレースではコ・スキッパーとして乗っている人です。
何かにぶつけてラダーとその駆動系、強度部材に至るに大きなダメージを受け、一旦スタート地点に戻って9日遅れの再スタート。そしてやっと艇団最後尾……はまだ結構あるなぁ。
姉妹艇、白石康次郎の〈DMG MORI GLOBAL ONE〉は最後尾の艇団に追いつきましたぞ。 

各艇細かいトラブルは抱えているようで、〈Seaexplorer – Yacht Club de Monaco〉のボリス・ファーマンも、ハリヤードのロック・フックのトラブルでマストに登ってます。この人、7月の前哨戦のときも良い所で同じようなトラブルで遅れてたなぁ。
どういうトラブルなのか。hookのトラブルといっても、各艇いろいろ違うようで良く分からないそうです。やっぱり今回、コロナのおかげで事前に走る時間が足らなかったんでしょうねぇ。

最後は↓こちら。無名の新人、バンジャマン・デュトルによるドローン撮影です。

Onboard video – Benjamin DUTREUX | OMIA – WATER FAMILY – 25.11

ハンドキャッチ用にスティック付けてます。これ、欲しい。
ちなみに、ヨット上でキャッチすると、ヨットが揺れているのでドローンはまだ着地したことに気づかず、モーターが止まらないのです。なんとか飛び続けようとウインウインペラを回してしまうのです。
なんというか、ケナゲ。

トラッキング・マップはこちら。

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